一般社団法人メタ観光推進機構(所在地:東京都渋谷区、代表理事:牧野友衛)を2020年11月10日に設立しました。当法人は情報社会の新たな観光である「メタ観光」の実現と普及を目指します。また2021年3月には法人発足を記念してオンラインシンポジウム開催を予定しています。

【メタ観光推進機構設立の経緯】

情報化が高度に進んだ今日においては、社会のさまざまな領域に変化が訪れていて、そのひとつに観光があります。国の成長戦略の柱のひとつである観光は、社会の変化に応じたアップデートが急務であり、その重要性は、昨年からのコロナ禍によりさらに増しています。特に、スマートフォンの登場を契機に、観光のあり方は一変しました。SNSや口コミサイトで情報を取得し、人気の観光地やレストランを訪れるスタイルが定着しています。また、旅の間も遠く離れた場所にいる家族や友人たちと、SNSやメッセージングアプリを介したオンラインでのコミュニケーションを行い、もはや、そうしたコミュニケーションのために観光がなされるようになりました。

スマートフォンの地図サービスは、ガイドブックに掲載されてない場所を見つけて、訪れることを可能にし、アニメ聖地巡りや写真映えするスポットを目的とする新たな観光の形が広がりました。そして、Pokémon GOに代表されるスマートフォン向け位置情報ゲームアプリの登場により、リアルな世界だけでなく、バーチャルな情報を目的とした観光も生まれました。

メタ観光推進機構は、このような情報社会の変化とその広がりのなかで形づくられる新しい観光のあり方を捉えるために、「メタ観光」の概念をまとめ、推進し、普及していくことを目的として設立します。

なお当機構では賛助会員を募集いたします。詳しくは入会案内をご確認ください。

【メタ観光の定義】

一般社団法人メタ観光推進機構では「メタ観光」を下記の通り定義します。

「ある場所が、GPSの位置情報上に、本来有していた歴史的・文化的文脈に加え、複数のメタレベル情報をICTにより付与することで、多層的な観光的価値や魅力を一体的に運用する観光」

これまで観光には、さまざまな形態が存在しており、それぞれに独自の呼称が存在しました。文化遺産や自然遺産を巡るヘリテージツーリズム、農村や漁村に滞在するグリーンツーリズム、人類の負の歴史をたどるダークツーリズム、アニメや映画などの舞台やモデルになった場所を訪れるコンテンツツーリズムなど枚挙に暇がありません。

それに対してメタ観光は、これら個別の観光形態よりも一段上位(つまりメタ)にある観光概念です。メタ観光では、それぞれの観光形態を、場所に対して観光的価値を付与する意味のレイヤーとして捉えます。たとえば、ヘリテージツーリズムであれば、その場所には文化遺産という観光価値があることを示す意味のレイヤーになります。そして、そうしたレイヤーを、位置情報を使うことで1つの場所に複数重ねて提示し、観光客に重層的な観光を体験してもらうのがメタ観光なのです。

【メタ観光推進機構の業務内容】

  • 調査研究事業:研究者および実務者による定期研究会の開催やメタ観光に関して多様な視点から分析したアニュアルレポートを発行。
  • コンサルティング事業: メタ観光による観光振興についてのコンサルティングを自治体・企業向けに実施。
  • メタ観光資源開発事業:メタ観光を実現する実証実験を先進的な自治体・企業と共同で実施。
  •  人材育成 / 研修・セミナー事業:セミナー、勉強会、視察会を実施し、メタ観光の普及・啓発を行う。
  • 顕彰事業:メタ観光と認められる事例を認証し、特に優れたものについての表彰を行う。

【当法人について】

組織名称:一般社団法人メタ観光推進機構 (Foundation for Meta Tourism)

U R L :https://metatourism.jp/

理 事 構 成:

  • 代表理事:牧野友衛(株式会社グッドイートカンパニー 取締役 CSO / 日本政府観光局 デジタル戦略アドバイザー)
  • 理事:玉置泰紀(KADOKAWA 2021年室エグゼクティブプロデューサー・担当部長)
  • 理事:伏谷博之(ORIGINAL Inc. 代表取締役/ タイムアウト東京代表 / 一般社団法人 日本地域国際化推進機構代表理事)
  • 理事:齋藤貴弘(Field-R法律事務所 弁護士 / ナイトタイムエコノミー推進協議会 代表理事)
  • 理事:菊地映輝(国際大学GLOCOM 研究員・講師)
  • 理事:真鍋陸太郎 (東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻助教)